読みたい本と読みたくない本の違いについて

 

最近、読める本が少なくなってきてるなあと感じる。読める本というか、読みたい本。

わたしは自分と同じくらい本を読んでる人にはあんまり会ったことがない、ってくらいには小さい頃からたくさん本を読んでいるんだけど、当然のことながら成長と共に読む本のジャンルや種類は移ろい変わってきた。

それが読書の面白さでもあるよね。数年前に読んだ本を読み返してみたら、当時と受け取る感覚や感想がぜんぜん違ったりする。

小学生の時はハリーポッターとか夢中になって読んでた。ミヒャエル・エンデも好きだったな『モモ』とか『はてしない物語』とか。あとは偉人伝とかも読んでた、とにかく学校の図書館にある本を片っ端から読んでたね。青空文庫も好きだった。『黒魔女さんが通る!』とか『若女将は小学生』とか。懐かしいぜ。

中学の時はなぜか推理小説ばかり読んでいた。東野圭吾とか宮部みゆき、アガサクリスティーみたいな王道。あと当時めちゃめちゃ流行ってたケータイ小説も読んでた…『恋空』とかさ…いま思うと完全に黒歴史感があるんだけど中学生だったしまあいいよね、ということにしている。

高校生の頃は、賞を取った本(直木賞とか)を片っ端から読んでた。叙述トリックに感動して片っ端から読んだ記憶がある。自己啓発本の本家?的なカーネギーの『道は開ける』『人を動かす』とかナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』、あと『七つの習慣』とかを読んでたのもこの辺り。恋愛のハウツー本みたいなのも読み漁ってたな、今じゃぜったい読まないようなやつ。心理系の本やスピリチュアル関連の本も読みだした。アドラーにハマってたね。この頃よんだ『神との対話』は今でもわたしのバイブル。まあバイブルは他にもいっぱいあるのだけど。

専門時代はそれに加えて、海外の小説や純文学、コラムやエッセイみたいな類、詩とかも読むようになった。こうやってみると成長と共に読む本の幅がどんどん広がっていってておもしろい。

 

だけどいま現在、当時に比べると読んでる本は少ない。

読みたい!と思える本は以前よりすごく減ったなあと思う。読めない本も増えた。むかしは読めない本なんてなかった。

読書には、二種類あると思っていて、ひとつは娯楽のための読書で、もうひとつは学び(情報収集)のための読書。

わたしが減った、と感じているのは後者のほうです、学びの読書の本。

悩みがあればそれに関する本を何冊か読む、というのは、小さい頃からわたしにとってあまりにも当たり前の習慣で、だって友だちとかに相談するよりよっぽどタメになるから。

面白い考えやハッとさせてくれる言葉をくれる、良き相談相手でありアドバイザーだった(もちろんこれからも)。

だから本を読まない人間がどうやって問題を解決してるのかいまだに想像がつかない、マジでどうやってんの?

 

当時(小、中、高校生)のわたしには、知らないことがいっぱいあったし、なんていうか知的欲求のおばけだった。悩みもいっぱいで、自分のこともわからないし世界のこともわからないしで、情報はあるだけぜんぶ手に入れたかった。あまり興味のない本でも、有名だったりよく売れてたりしたらとりあえず一回読んでみたりしてた。

だけど今は、そういうことを全くしなくなった。

 

それはなぜ?と考えてみると、将来自分がなりたい理想像、目標とする人生のゴール地点、どういう感覚を得たいのか、などが、ある程度固まってきたからだと思う。

だからその道筋から明らかに外れてたり逸れてるものへはさっぱり興味がなくなった、というわけです。

昔は、なんかぼんやりと(幸せになりてー)と思っていたから、ストライクゾーンがかなり広かったんだろうな。

 

あとこれは感覚のはなしなので、言葉でうまく説明するのは難しいのだけど、本を書いてる人(著者)のエナジーが伝わってくる、というのがある。

似たような作品が2つあるとして、たとえば同じ言葉を使っていても、同じような内容でも、それぞれの書き手の意図や感覚、エネルギーが違えば、こちらに伝わってくる印象はまったく違うものとなる。

何を書くか、とか文章のキレイさ読みやすさなどは正直あんまり関係なくて、どういうエナジーで書いてるのか がいちばん大切で、結局それはその人のそもそもの人間性、みたいなことになってくるのですが。これはブログとかも同じ。

書いてる言葉や文章は、良いこととか綺麗事でも、伝わってくるエネルギーはどんより重たい、なんてことはよくある。わーこの人しんどそうだなみたいな。

そういう本はイヤ〜な感じや気持ち悪い感覚になって読む気が失せてしまう。

身体が、読むことに対して拒絶反応を起こしてるみたいなかんじ。読みたくない文章を目が勝手に飛ばしてたりする。

 

そんなかんじで読める本は以前より減ってしまったけれど、そのぶん読める本に出会ったときの喜びはひとしお。

そういう本を読むと、頭と身体が気持ちよくなる。なんだか細胞が喜んでるみたい。ゾクゾクしたりフワッとしたり感覚が広がっていく感じがする。心地よい〜 にこにこ、となる。最高の体験。

それを感じさせてくれる本に出会うのは、とても楽しいしわくわくする。

そういう本を書ける人にいつか自分もなりたいね。